『今を生きる私たち』

　世界の魔力を統べる王が誕生して少しの時が流れた。
　アルディナ帝国で生きる人々の大半は魔力を持たない人間となった。
　帝国では氷の大地に取り残された人や、命を落とした者たちの遺体、遺品の回収を望む声が多く出ている。
　リモス村の住民からも、精神を失っているベルティルデ・バイエル――ルース姫の精神を戻そうという動きが出ていた。
　そのためには、彼女の精神が在ると思われる氷の大地に行く必要があるのではないかと。
　氷の大地は未だ魔力が暴走した状態のままと思われる。だが、王が誕生したことで、少しは治まっているのではないかという希望もあった。
　季節は冬。リモス村では復旧作業が行われており、しばらくは新たなマテオ・テーペの人々の受け入れは難しそうだ。
　船が使えるこの時期に、氷の大地に調査に向かってはどうかと帝国とマテオ民の間で協議され、決定された。
　氷の大地へは箱船２号で向かう。指揮はストラテジー・スヴェル団長代理とルース・ツィーグラーが執るそうだ。
　そして、船にはベルティルデの身体を乗せることになっている。
　暴走を抑える魔法具は魔石を失ったことでエネルギーチャージが進んでいないため、今回は持っていかない。
　アルザラ１号はまだ油断が出来ない状況であることから、避難民を乗せられるようリモス村に留めたままだった。

「バリ、あんたも行くの？　というか、何で継承者の一族になってんのよ。魔法の才能ないくせに」
「うるせぇな。それでも、火属性のお前よりいろんなことで役にたてるだろ」
　継承者の一族となったルルナ・ケイジと、バリ・カスタルは喧嘩しながら出航の準備をしている。
「上陸はしないでよね。へばっても運んであげられないから」
「魔法薬や魔法防具で魔法防御力上げていくからへばらねーよ。それとちと気になってんのが、あの人も行くってこと」
「ああ、チェリア・ハルベルトさん？」
　囚われていたチェリア・ハルベルトも、今回の調査への同行を希望していた。
「そう。あの人には聞きたいことも沢山あるから、いいんだけどさ……。ま、無理と感じたら船で大人しくしてるから、お前こそへばんじゃねぇぞ」
　突っ慳貪に言い、バリは重い荷物を持って、箱船の中に向かって行った。
「チェリアさん……なんか色々と責任感じてるんだろうな」
　魔力を制御するための、一つの意思になることを考えているのかもしれない。
「でも今回は、魔法具持っていかないっていうしね」
　様子だけは気を付けて見ていようとルルナは思うのだった。

　箱船の甲板では、航海士として同乗することになった、レザン・ポーサスが海を眺めていた。
（リッシュのところまで行くのは、無理か……）
　幼い頃からずっと見てきた少女の姿が思い浮かぶ――。


　大切な人と、或いは一人で過ごす普通の日。
　そんな１日のあなたの姿を、教えてください。


■参加方法
公式ショップでチケット（1500円）を購入していただき、こちらのフォームからアクション（600文字まで）をご投稿ください。
ＮＰＣを登場させる場合は、ＮＰＣ追加用チケット（１ＮＰＣにつき500円）もご購入ください。
こちらのシナリオには、シーンイラストを付けることができます。イラストのチケットは１キャラクター（ＰＣ、ＮＰＣ共に）につき2500円となります。
イラストのみご参加いただくことはできません。

■スケジュール
2020年12月5日　参加案内公開
2020年12月7日　アクション受付け開始
2020年12月12日（23時59分59秒）　アクション受付け締切
（フォームからの投稿は念のため翌朝9時まで行えるように設定してあります）
リアクション公開日は１２月末頃。
イラストは完成し次第（最長２カ月程度）。

カナロ・ペレアではダブルアクションを禁止としています。
他の方と絡む場合は、他の方と同日、同じ場所で同じことを楽しんでください。

【ご案内】
こちらのシナリオでは、オープニングの時期、もしくは、カナロ・ペレア後編のお好きな時期のＰＣの日常が描かれます。
描写可能な時期は、『嵐の前の日常』から、カナロ・ペレア最終回の少し後、オープニングの調査を終えて、船が戻ってきた直後まで可能とさせていただきます。
ＮＰＣにつきましては、ご指定の時期に接触可能なＮＰＣについては、お誘い、接触していただいて構いません（追加料金が必要です）。
オープニングに登場しているＮＰＣにつきましては、オープニングの話の範囲で軽く関わる程度の場合、追加料金は必要ありません。

更にこちらは、通常のリアクションと共に、シーンイラストも作成されるシナリオです！
シーンイラストを希望される場合は、イラスト用のチケット（2500円）もご購入ください。基本絵がない方もご参加可能です。
ＮＰＣ分のチケットをご購入いただくことで、ＮＰＣをイラストに登場させることも可能です。
作成されるイラストは、簡単な背景有りのカラーイラストとなります。

ＮＰＣの服装やポーズはご指定いただけません。
尚、登場条件等、ご不安な場合はチケット購入前に、会員サイトのＰＬ掲示板でご質問ください。

【注意事項】
カナロ・ペレアではダブルアクションを禁止とさせていただいております。
受けアクション、サブアクションなどもお書きになりませんよう、お願いいたします。
今回はメイン行動の他に、普段はこんなことをしている等、軽く説明程度に普段の行動等を書いていただくことは構いません。

重要シナリオで確定している展開、結末を変えようとする行動は、失敗描写しかできませんため、ご遠慮ください。

【氷の大地の調査に参加される方】
魔力がない方、及び継承者の一族となった方でも魔力の低い方は、歪んだ魔力の影響は受けませんが、魔力の濃度が高い場所では大きなダメージを受けます。
人間になった方は魔力を失っているため、氷の大地に上陸をすることはできません。船の中の行動に限定されます。
継承者の一族となった方は、魔法防具を纏って上陸し、周辺調査と遺体、遺品の回収を行います。暴走の中心部（シェルターの辺り）には行けません。
氷の大地の氷は全て溶けており、暴走した魔力はまだ治まっておりません。

【Ｑ＆Ａ】

Ｑ：オープニングの時期、アトラ島と連絡はとれていますか？

Ａ：帝国側やＮＰＣはとれていません。

Ｑ：捕まえたいＰＣがいます。そういったアクションをかけても大丈夫ですか？

Ａ：構いません。他の方からそのようなアクションをかけられる可能性がある方は、メインアクションの他に対抗アクションを入れてくださっても構いません。ただ、こちらは交流がない場合に限っての特例となります。

ＰＬ間の相談でリアクション内で捕り物劇等を行う場合は、互いにそれだけで１アクションとなります。

Ｑ：サーナ・シフレアンと関わることはできますか？

Ａ：申し訳ありませんが、こちらでも直接関わっていただくことは出来ません。話題に出すことに問題はありません。

Ｑ：継承者の一族の力で、精霊や精神体ＰＣ、ＮＰＣと意思疎通はできますか？

Ａ：このシナリオではできません。

Ｑ：継承者の一族になりました。通信の能力は会得済みとしても大丈夫ですか？

Ａ：身近に同属性の一族の能力を会得している人物がいる場合は、大丈夫です。

Ｑ：重要シナリオで確定している展開、結末を変えようとする行動はできないそうですが、未来の希望となりそうな行動は認められますか？

例えば、箱船を出航させるための生命力の代わりになるようなエネルギーについて研究を始めたなど。

Ａ：そういった行動は歓迎いたします。

Ｑ：オープニングの船が戻ってきた後の帝国領での描写を希望しています。船に乗って調査に参加したとしても大丈夫ですか？

Ａ：大丈夫です。

Ｑ：シナリオで関わることのできないＮＰＣについて、ＰＣの想像や、夢の中のシーンとしてイラストに登場させることはできますか？

Ａ：できます。

Ｑ：シーンイラストに、ＮＰＣだけ登場させることはできますか？

Ａ：できます。イラストのチケットはＮＰＣ分のみでＯＫです。

Ｑ：イラストに登場できるＮＰＣは、イラストのあるＮＰＣのみですか？

Ａ：イラスト商品ではイラストのないＮＰＣはご指定不可ですが、このシナリオでは、プロフィールやイラストのないＮＰＣでもご指定可能です。

ご不安な場合は、お手数ですが公式サイトのＰＬ掲示板でご質問ください。

【個別連絡】
エンリケ・エストラーダさん
ジン・ゲッショウさん
バルバロさん
オープニングの時期はまだ海上にいます。
オープニングの少し後まで描写可能となりますため、調査に向った船が出港した後、本土に戻り、本土で過ごしているとしていただいても構いません。

ウィリアムさん
ヴィーダ・ナ・パリドさん
最終回より後のシーンを希望される場合、アトラ島にいることになりますが、アトラ島での描写は個人的なもののみ可能となります。
申し訳ございませんが、その期間をご指定の場合、日常のＰＣの姿、ＮＰＣとの過ごす１シーンなどでお願いいたします。

リンダ・キューブリックさん
コルネリア・クレメンティさん
リンダさんですが、人間となりましたため氷の大地へ降りて、直接遺体の回収などを行なうことができないです（船に乗ることは可能です）。
クレメンティ家に報告に行くシーンなどを希望される場合、コルネリアさんも参加された場合に限り、コルネリアさんのご家族などの描写を可能とさせていただきます。
その場合はご家族の設定や、台詞などはコルネリアさんがご指定くださいませ。

●マスターより
【川岸満里亜】
最後の日常シナリオのオープニングを公開させていただきます！
こちらのシナリオでは、後編のお好きな時期をご指定いただけます。
イラストを付けることのできるシナリオですが、シナリオだけのご参加も勿論大歓迎ですので、是非ご参加をご検討ください。

尚、後日談は王が新たに隆起させた島で行なわれる、無礼講の『お花見』を予定しております。

それではアクション楽しみにお待ちしております。

【冷泉みのり】
こんにちは、冷泉です。
アクションをかけられる範囲が広いので、ここと思うところを見つけて楽しんでいただけたらと思います。
私も、皆さんがどこを選んでくるのか楽しみにしております。
アクション、お待ちしています！