カナロ・ペレア 最終回

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●崩壊していく氷
 悲しみ、苦しみ、嘆き――負の感情と共に、トゥーニャ・ルムナの精神は崩壊していく氷の大地を彷徨っていた。
「ここにいる『みんな』は帝国にいた『みんな』と違う『みんな』なんだね。でも同じ気持ちなんだね~」
 まだ『みんな』と混ざり合っていない、トゥーニャのような個を保った精神もこの地に在った。
「ここに留まっていたら、わたくしたちも取り込まれてしまうかもしれませんわよ」
 声をかけてきたのは、帝国騎士であったコルネリア・クレメンティの精神。
 自分達はそろそろ、旅立たなければならない。
 だけれど、その前に知りたいこと、しておきたいことがある。
 ここには同時期に命を落とした人たちの心が残っている。水の魔力を抑えているルース姫も――。
「ベルティルデ……ルース、きっともう大丈夫だ。ここにあった水の魔力はルイスと共に、結晶石になったから」
 リベル・オウスはルース姫の精神を探していた。
 この地に渦巻いている熱い魔力と感情には覚えがある。かつて自分の身体を焼いた炎に似ている。
 その中心に、ひとつ、個を保っている精神があることを、リベルは知っていた。
 魔法具で打ち出された、バルバロの精神だ。
 そしてここには、大洪水の元凶、ルイス・ツィーグラーの精神もきっとある。彼の口から出た、リーザという人物も。

●王となる者
 ストラテジー・スヴェルに届いた報告が、街の人々にも広まっていた。
 大洪水を引き起こしたのは、ウォテュラ王国の魔導兵器であり、破滅をもたらした元凶である王子、ルイス・ツィーグラーはマテオの民中心とした隊により、討たれたと。
 妹であったルースは、ルイスの誘いに乗ることはなく、彼を突き放し、水の安定のために精神を捧げた。
 兵器の更なる発動は止められなかったが、兵器と兵器を操っていたハーフは、帝国とマテオ出身者両方のSスヴェル団員達により、破壊された。
 魔導兵器の稼働エネルギーであった生命体に、危険を顧みず突撃して打ち倒したのは、マテオ出身の傭兵騎士であったこと。
 そしてその戦いにおいて、帝国騎士のみならず、マテオの民間人と傭兵騎士の2人が命を落とした。
 その報告は、帝国の民たちの心を動かした。
 元凶の死と破壊に歓喜するとともに、人々は帝国騎士達の死だけではなく、マテオ民の犠牲をも悲しんだ。
「世界のために、騎士でもない一般人が、前線に立つなんて」
「亡くなった1人は、海賊戦のとき、捕まってた子だとさ。疑ったりして悪かったな」
「彼女は帝国とマテオの民の架け橋となってくれた! 必ず迎えにいこう。そして戦死者たちの慰霊碑を立てるんだ」
「姫様も何の罪もないよな、寧ろ女神だ!」
 多くの熱狂した人々が街、そして宮殿に続く街路の雪をかき、整え、飾りをつけてアルザラ1号の――英雄たちの帰還を待ち望んでいた。

 少し前まで、皇帝ランガス・ドムドールは、マリオ・サマランチと名乗り、ガーディアン・スヴェルの建物の管理人として街で暮らしていた。
 彼には公妾であった貴族の女性との間に娘が2人いた。その一人が、攫われ、利用され、そしてランガスの命が狙われた事件から、数週間が過ぎていた。
 深い傷を負い、一時は意識不明となっていたランガスだが、現在では杖もなく自力で歩行できるまでに回復していた。
「リモス村の状況が芳しくない。だが、この様子ならマテオの者たちも大丈夫だろう」
 側近であり、影武者として執務を代行してきたルーマ・ベスタナがため息交じりに言った。
「主にスラムで暮らす者のお前への信頼は失われたままだ。説明しなくていいのか?」
「疑われても仕方がないことを、しているからね。私にできることは、この後の行動で民に示すことだけだよ。それに、悪いことばかりでもない」
 ルーマの問いに、穏やかな表情でランガスはそう答えた。
 皇帝の求心力はやや失われ気味だが、帝国民のマテオから訪れた人々に対しての友好度はかなり上昇したようだった。
 街で流れている噂は、真実とは少し違うのだが、それを否定して、帝国側だけの功績を称えるようなことは、行わないつもりだった。
「私がマテオの民に手を差し伸べれば、自国民の方が優先だろうと、多くの者が反意を持ち暴動が起きかねない。けれど、民の自主的な行動ならば? 余裕のある者の、有志による行動ならば皆、認めてくれるだろう」
 ランガスは微笑んでいた。ルーマは大きくため息をついた。
「お前は本当に人が良すぎる。皇帝には向かんな」
「そうだね。私に軍事国家の皇帝はできない。だから、ここのことは頼んだよ」
 ルーマはランガスに自分の身体を提供すると申し出ていた。
 ランガスの精神をルーマの中に移して、皇帝を――娘たちの父親を続けるべきだと。
 だがランガスはその申し出を迷いもせず、断っていた。
「私を継承者としてでも、皇族としてでもなく、愛してくれた人がいた。家族をくれた人がいた。彼女と私の愛する子どもたちを守りたい。そしてそれは、親であれば、人であれば、誰もが抱く感情。どの立場の者でも。街で多くの人々と触れ合って知った、この感情に素直でありたい。私は、愛を育む全ての人を守りたいんだ」
 息をついて、ランガスはもう一人の女性のことを思い浮かべる。
「ただ、私には幸せにしてあげられなかった人がいる。彼女のことは、これからも頼む。娘たちのことも」
「……わかっている」
「すまない。ルーマには本当に迷惑をかけ通し、助けてもらうばかりだね」
「全くだ」
 顔をしかめて、不機嫌そうにルーマは言った。
 ランガスは変わらず、微笑みを浮かべている。

●一族の力を持つ女たち
 皇帝を全ての魔力を統べる王とする儀式の間へは、宮殿敷地内にある魔力塔の地下から向かうことになる。
 王になる儀式は、最低三日三晩の時をかけて行われる予定だった。
 既に荷物の運び込みや道の整備といった準備が進められている。
 そのため、魔力塔から魔力を送る作業は、主にビル・サマランチに任されていた。
 サポートとして、帝国の信用を得ているアーリー・オサード。そしてその日は、出航を控えたシャナ・ア・クーも手伝いに来ていた。
「でもね、その歴史って証明できるの? 記録とかなら、書いた人が自分達にとって都合の良いように書いてるかもしれないし、どちらにしても私たちの一族は、誰も納得なんてしないと思うわ」
 儀式のために貸しだした3つの祭具を失ってしまったシャナは、その代りとしてマテオ・テーペに使われている魔石が欲しいと、ジスレーヌ・メイユールにかけあった。そして彼女から魔石がどういったもので、何故3種の魔石から作られた魔法具が、アトラ・ハシス島にあったのか聞いた。
「魔石を持ち帰れなかったら……次にア・クシャスが暴走した時、島を守る方法が……あ、継承者の身体で鎮めることができるんだっけ? それを約束しないと、皆許してくれないだろうな」
 シャナは悲しげにそう言った。
 帝王学を受け始めたビルは、シャナの言い分を不思議そうな顔で聞いていた。
「それでは、マテオの皆さんをそちらで受けいれてはどうでしょう? こことアトラ島の面積はそれほど変わらないのでは? 人口はこちらの方が多く貧しい人もいるのですから、マテオの方々も、アトラ島の方と掛け合えば良いのではないでしょうか?」
「うーん、島の外の人たちの、森を切り開いて住処を作ったり、動植物を育てたりする生活様式なら、確かに狭い場所で多くの人が生活できるようになるのかもしれないけれど、私たちには私たちなりの暮らし方がある。生活の場や動物の住処が奪われるような開拓は困ってしまうし、そんなことをされたら必ず大きな争いが起こるわ」
(だから、それは帝国の民も同じなのではないでしょうか。それに、シャナさんたちがここに残っている理由は、歪んだ魔力の影響を受けやすい人を、自分達の島に連れて行きたくないからなのでは? 敵対国だった私たちの国が全て背負わなければならないのでしょうか。アトラ島の人々を護るために、帝国民が危機にさらされ続ける? 私は……)
 帝位継承権を持つものとなったビルに、自国民を護る意思が芽生えてきていた。
(そして結局……全てをお父様だけが背負いこむのですね……)
 ビルはそんな想いを秘めながら、少し休憩をすると言い、席を立った。
 護衛の騎士も離れたその少しの間、黙って話を聞いていたアーリー・オサードがシャナに近づき、囁いた。
「ひとつ、提案があるのだけれど。……私、ここを出ようと思うの」

●共に乗り越え、明日を望む
 現在、ガーディアン・スヴェルとストラテジー・スヴェルは二つの大きな問題に合同で取り組んでいる。
 Sスヴェル本部で行われたこの日の会議では、これらについての報告と今後の予定が話し合われた。
 問題の一つは、前々から進められていたスラム街の再開発である。
 スラムでも特に危険と言われている深淵部に巣食っていた深淵勢力がクーデターを企てた事件によりここ最近は停滞気味だったが、それを阻止してからは再び事業が進められている。
 無秩序に増築された建物も含めてすべて解体され、新しく建て直されているところだ。
 ここに住んでいた人達は、元々は大洪水の時に避難してきた人達である。
 身寄りのない人や、大洪水で肉親を失った子供などが多くを占めるからか、無秩序な一画になってしまったが、避難時に成人していた人には一般教養を持つ人がほとんどだ。
 そういった彼らに仕事や学びの場を与えるにあたり、貴族・騎士区にあるハルベルト公爵の別邸が提供された。
 子供達にはそこで知識を身に付け、知識のある大人は教師として教壇に立つなどしている。
 また、ガーディアン・スヴェルの養成所でも受け入れを始めた。ここで学びながらGスヴェルの活動に参加する人もいる。
 深淵勢力と対していたGスヴェル団長代理のヘーゼル・クライトマンが、現状の詳細を団員達に報告した。
「概ね順調に進んでいるが、課題はまだ山ほどある。今も生活が定まらない人――これは、住居や仕事が主だが、この人達のために仮設住宅の建設や炊き出し、仕事の斡旋が引き続き必要だ。そのための寄付ももっと募りたい。また、中にはスラムから離れたがらない人もいる。彼らにも言い分はあるだろうが、何とか説得したいな。……と、これらはほんの一例だが、対処する人手が全体的に足りていない。治安の問題もある」
 再開発によりスラムからたくさんの人が出てきたために、軽犯罪や喧嘩などが増えたのである。
 ところで、ヘーゼル自身もスラムの住人と接することで、一つ気づいたことがあった。
「スラムの住人達は、陛下に対しての不満や不信が強いように感じた。だから、国の政策に沿って再開発に協力するスヴェルにも良い感情は持っていないのだろう。このあたりを解消できれば、もう少し穏やかに進められると思う」
 クーデターでは、それを引き起こした深淵勢力のミサナ・スヴェルダムに操られたダリア・サマランチが、実の父である皇帝を糾弾した。
 もともと様々な不満を抱えていただけに、こじれた感情はなかなか収まらなかったのである。
「深淵勢力などの危険な不穏分子はどうなっている?」
 団員の一人が質問をした。
 これには、Sスヴェル団長代理が答えた。
「犯罪組織へは、騎士団が組織の解体や掃討作戦を行っている。違法に作られた武器や魔法具があるらしく、苦戦を強いられることもあるそうだ」
 そのせいで、Gスヴェル本部は襲撃を受けた際に半壊の目にあっている。今はすべて取り壊して再建中だ。
 また別の団員が手を挙げ、グレアム・ハルベルトについて聞いてきた。
 数日前に宮殿に見舞いに行ったヘーゼルが、心配そうなその団員にグレアムの様子を伝えた。
「休養中ではあるが、本人は元気そうにしていた。復帰はもう少し先になるそうだ。力になれなくてすまないと言っていたよ」
 元気そうだと聞き、その団員は少し安心したように微笑んだ。
 そういえば、とSスヴェル団長代理がヘーゼルに尋ねた。
「提供された公爵の別邸の様子はどうだ?」
「こちらも人が足りていませんね。教師の他、建物の管理をする人も」
 どこもかしこも問題に対する手が足りないということだった。

 次に、水位上昇に関する問題について、マテオ・テーペ代表のジスレーヌ・メイユールから報告がされた。
「リモス島や燃える島を含む各地の海岸で水位の上昇が確認されていることから、今後、水による災害が起こると想定されています。氷の大地にあった魔導兵器が発動し、大量の氷が溶けだしていることからも、まず間違いないと思われます。水位の上昇だけでなく、増えた水が蒸発して大量の雲となり――豪雨であれば川の増水や家屋への浸水が考えられます。今の季節なら豪雪の可能性が高いでしょうか。雪の重みによる家屋の倒壊、凍死、道路の分断による孤立……また、山の麓に住む人達は、街の避難所へ移ってもらったほうが安全かもしれません。スラムの問題の他、通常の活動も行う中、さらに負担が増えますがどうかよろしくお願いします」
 帝国の冬は厳しい。
 今日は雪は降っていないが、夜の間に降り積もった雪がすっかり道を覆っていた。
 街の朝は、雪かきから始まる。
 食料などは冬までに備蓄が行われているが、余裕があるとは言えない。
 このような中、豪雪や豪雨が訪れると生活はさらに厳しくなってしまうだろう。
 貯蓄した食料や資材を駄目にしない工夫が、例年以上に必要だ。
 また、避難所の必要性が増す可能性もある。こちらの準備もしなければならない。
 続いて、リモス村の管理人であるインガリーサ・ド・ロスチャイルド子爵からの依頼について、直接依頼書を預かったジスレーヌが説明した。
「現在、リモス島の海岸はかなり内側まで迫っています。住居や畑などは島の中央辺りの小高いところにあるので、浸水などの被害はまだありません。ただ、マテオから救出された人々が増えたため、食料や生活物資が不足しています。わずかでもいいので譲っていただけませんかという依頼です」
 備蓄にあまり余裕がないのは子爵も承知しているが、その上での依頼であった。
「魔物は大丈夫なのか?」
 リモス島が中央の魔力塔の加護の外であることを思い出したヘーゼルが尋ねた。
「実は、それも問題なんです。歪んだ魔力がなくなったわけではありませんから……けれど、戦える人も少しはいるので、今のところ何とかなってます。それに、対処しきれなくなった時は、街の人達が魔力を貯めてくださった西の魔力塔を使わせていただきたいと思っています」
 さらに、リモス村の流刑囚については、水位上昇などにより命が危険と判断された時は、本土から小型魔導船が出されて宮殿の獄へ移されることが決まっている。
 アトラ民やマテオ民は、アルザラ1号や箱船2号へ避難する。これらの船ならば長期間滞在するための設備がある。ただし、依頼の通り避難時に積み込むための食料や生活物資は足りていない。
「それと、子爵様からもう一つ依頼があります。アトラ民やマテオ民の中には、体の弱い人もいます。もしもの時は本土の避難所か民家に移すことはできませんかとのことです」
 流刑囚や急病人の移送については、後にスヴェルに小型魔導船一艘が貸し出されることになった。
 ひとまずリモス村だけではどうにもならない問題への対処法がまとまり、ジスレーヌは安堵した。
 子爵からの依頼の形を取っているが、内容はリモスの主だった人達で絞ったものである。
 ところで、宮殿で人質となっていたルース・ツィーグラーがもうその必要がなくなったため、リモス村に来ている。
 豪雨や豪雪をもたらす雨雲や雪雲を、少しでも遠ざけるためだ。
 そうすることが、儀式で精神を捧げて水の魔力を静めたベルティルデの思いを継ぐことだとルースは考え、傍にいたいけれど村に身を置くことに決めたのだ。
 箱船2号に乗ってきた高位の水の魔術師達と力を合わせれば、村を荒天から守るくらいはできるだろう。
 ただし、島に水没の恐れが生じた時はどうしようもない。水位の上昇に干渉できるほどの力はないのだ。
(村のみんな、大丈夫でしょうか……)
 会議のためにここに来る前の村の人達を思い出す。
 どの顔も不安そうだった。
(インガリーサさんやルースさんの話では、皇帝が王になったらリモス村を救ってくださるというお話でしたが――どうか、水没などしませんように。村がなくなったしまったら、まだマテオにいる人達を助けに行けなくなってしまう。どうか、どうか!)
 心の中で、ジスレーヌは強く願った。

 

*   *   *


 近未来――。
 魔力を統べる王となったランガスとセラミスは、世界に残る最後の継承者たちの精神を集めた。
 風はセゥとシャナ。
 水はルイスとルース。
 火はレイザの魂のひとかけらと、一族の娘と融合したリーザ。 
「人間と精霊の共生が私の願いです。魔力を有し、同じ意思を持つ人間を新たな神の使いとし、新たに始まる2000年間、その者たちに人々の統治を行なわせる」
 世界の統一――国という垣根をなくし、人々は新たな王の支配下で、魔力と自然畏れ敬い、平和と繁栄を目指していく。
 それが新たに世界の魔力を統べる王となった者の理想だった。
「王となるべく生まれた者たちよ、あなた方はどうお考えか? 私は、あなた方の魂のエネルギーを用いて、あなた方の願いをひとつずつ、叶えることができる」
 何を願うのか。
 どんな未来が理想なのか。
 王は継承者の精神に問いかける。
「魔力を持つ人にも問うてみようと思う。魔力を還し純粋な人間として生きるのか、神の使いとなるか、肉体を持たない精霊となるか」

 世界には既に、魔力を生成する核を持たない人間はいない。

 じきに魔力を統べる王の、神のお告げが人々に届くだろう。

 魔力を持つ人――人間と精霊のハーフの子孫たちは、それぞれどんな未来を望むのか。

 


カナロ・ペレア 最終回 参加案内

■スケジュール
2020年10月27日 オープニング・参加案内公開
2020年10月30日 アクション受付け開始
2020年11月7日(23時59分59秒) アクション受付け締切
(フォームからの投稿は念のため翌朝9時まで行えるように設定してあります)
リアクションの公開は11月下旬頃を予定しています。

■参加方法
公式ショップでチケット(1500円)を購入していただき、こちらのフォームからアクション(600文字まで)と、選択肢の選択をしていただき、ご送信ください。

■ご案内
アクションは、オープニングの「***」より前の時期にかけていただくことになります。
PCの行動が継承者たちの話し合いに影響を及ぼし、世界の結末が決まります。
「***」より下の継承者たちによる話し合いは、継承者NPCも行われることを把握しておらず、突如呼ばれる形になります。
この話し合いに同席することはできません。

選択肢で、ご自身が今後、人間(魔力を失う)として生きることを望むか、継承者の一族(神の使い)となるか、精霊となるかをご選択いただきます。
決めかねる場合は、状況に合わせるをご選択ください。
参加PCの中に「継承者の一族となる」を選んだ方がいなかった場合に限り、精霊と人間の世界は分かたれ、世界が正常な形に戻る可能性があります。
尚、継承者の一族となるを選択しても、私利私欲のためだけに力を欲していると王に判断された場合、継承者の一族の力を得ることはありません。PCの場合、魔力を持った人間のまま(ネフィリム的な存在)となります。


ワールドシナリオ最終回で命を落とした方が「人間として生きる」もしくは「継承者の一族となる」を選んだ場合、基本的には転生をすることになります。
展開によってはその限りではない方もいるかと思います。

■時期について
ランガスが世界の魔力を統べる王となる儀式は、アルザラ1号が帝国に戻る前に開始されます。
帝国騎士と儀式関係者(ランガス/マリオ、エルザナ、チェリア)の信頼を得ているPCは、本土にいる場合同行可能です。
儀式の場には宮殿敷地内にある魔力塔から向かいますが、儀式関係者の信頼を得ている方であれば、立場関係なく同行が可能です。
アルザラ1号で帰還するPCは、儀式を終えて宮殿に戻った親交のあるNPC達のもとに駆け付けることが可能です。

【時系列】
・オープニング***より上
・儀式開始
・アルザラ1号帰還
・ブレイブ号でシャナら山の一族がアトラ島へ向けて出航(航海の指揮は恐らくレイニ)
・儀式終了

■状況説明
シャナ達山の一族は、アルザラ1号(元旅客船)が帰還し次第、ブレイブ号(元貨物船)でアトラ・ハシス島へと帰っていきます。
原住民のアトラ民は、基本的にはブレイブ号に乗ります。
シャナとセゥの精神が王に召喚されるのは航海中です。
レザンはリモス島に残されます。
港町出身のアトラ民はレザンの対処や、歪んだ魔力をアトラ島に持ち込まないため、更に同郷の人々の救出に今後も協力するために、基本的には帝国に残ります。
基本的にはというのは、絶対そうしなければいけないという意味ではなく、NPC(山の一族除く)もPCもPCのアクション次第です。

■シナリオアイテムについて
魔力塔の魔法具…持ち出させるものではありません。
アルザラ1号に設置された確固たる意思を打ち込む魔法具…宮殿に運ばれます。単身で持ち運べる装置ではありません。チャージには日数を要します。
グレアムの精神を封じていた魔法具…リングにチェーンを通したネックレスです。空いています。

■注意事項
カナロ・ペレアではダブルアクションを禁止させていただいております。
最終回なため、事後につきまして軽く触れていただいて大丈夫ですが、こちらのリアクション公開後に、日常シナリオや後日談シナリオを行う予定がありますので、事後談についてはそちらでお願いいたします!

■継承者NPCの意思等(アクションの影響で変わる可能性有)
セラミス・ドムドール
世界が安定するまで見守り、その後精霊となる(肉体は魔石)。

ランガス・ドムドール(マリオ・サマランチ)
セラミスと同じ。

ベルティルデ・バイエル(真ルース)
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。
願い:アクション次第

ルイス・ツィーグラー
意思:精霊になる。アクション次第で考えを変える可能性も。
願い:魔力を持つ人間の絶滅

リーザ・インダー(+レイザ・インダーの精神の欠片)
意思・願い:自身の魂の消滅(永遠の死)

シャナ・ア・クー
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。
願い:展開による

セゥ
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。
願い:展開による

■NPCの状況、考え
チェリア・ハルベルト
儀式でランガスとセラミスを融合させる役割を担います。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

ルルナ・ケイジ
リモス村にいます(残ります)。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

ミコナ・ケイジ
主に本土にいます。連絡係として、宮廷と街を行き来しています。
意思:人間になる。

エルザナ・システィック
儀式の間で精神を魔法具に移してもらい、儀式後に精神を戻してもらう予定。
意思:人間になる。

バリ・カスタル
リモス村にいます(残ります)。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

エクトル・アジャーニ
宮殿と街(貴族・騎士区)を行き来しています。騎士団の開発室にいることが多いです。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

アーリー・オサード
姿を消そうとしていますが、アクション次第。
意思:人間になる。

レイニ・ルワール
航海の指揮は可能だけれど放心状態。政治的な話をできる状態にはなく、刺激をすると精神崩壊の可能性も。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

レザン・ポーサス
リモス村にいます。暴走する可能性も。
意思:人間になる。

ルーマ・ベスタナ皇帝の影武者)
宮殿にいます。
意思:状況に合わせる。継承者たちが共存を選ぶのなら、一族となる。世界が分かたれる場合は人間。

皇妃カナリア
宮殿にいます。
意思:人間になる。展開次第で考えを変える可能性も。

ホラロ・エラリデン
アトラ島に戻るつもりはなく、帝国に帰化希望。帝国主導の世界国家誕生を望んでいる。
意思:出来れば魔力を失いたくないが、状況に合わせる。

ビル・サマランチ
主に宮殿の魔力塔にいます。魔力塔には入れない方も、知り合いなら休憩時間に会えます。
意思:状況に合わせる。継承者たちが共存を選ぶのなら、一族となる。世界が分かたれる場合は人間。

リッカ・シリンダー
宮殿の魔力塔で研究をしています。
意思:多分人間になる。状況とアクション次第。

サーナ・シフレアン
側仕えと共に帝国宮殿にいます、が……。
登場の予定がなかったマテオNPCのため、このシナリオでは直接の接触は不可とさせていただきます。
話題には出していただいて大丈夫です。

グレアム・ハルベルト
宮殿にいます。面識のあるPCは面会できます。
意思:人間になる(既に魔力を失っているため、一族にはなれません)

カサンドラ・ハルベルト
リモス村で箱船2号への避難準備の手伝いをします。
意思:人間になる(既に魔力を失っているため、一族にはなれません)

ジスレーヌ・メイユール
Sスヴェル本部にいます。
意思:人間になる

インガリーサ・ド・ロスチャイルド
リモス村に居ます。
意思:人間になる

フランシス・パルトゥーシュ
パルトゥーシュ商会にいます。
意思:人間になる

ジェルマン・リヴォフ
神殿にいます。
意思:人間になる。アクション次第で考えを変える可能性も。

ヘーゼル・クライトマン
Gスヴェルの養成所やハルベルト公爵の別邸などの様子を見に行きます。
意思:人間になる

サク・ミレン
リモス村にいます。
意思:人間になる

パルミラ・ガランテ
ハオマ亭にいます。
意思:人間になる

ルース・ツィーグラー(真ベルティルデ)
リモス村にいます。
意思:人間になる

ダリア・サマランチ
宮殿にいます。Gスヴェル団員か貴族、帝国騎士は面会できます。
意思:人間になる

ハルベルト公爵
宮殿敷地内にある公爵邸にいます。面識のあるPCは面会できます。
意思:人間になる

■個別連絡
トゥーニャ・ルムナさん
リベル・オウスさん
コルネリア・クレメンティさん
バルバロさん
精神が氷の大地で漂っている状態です。
他のこの付近に存在する精神と接触することが可能です。
名前有りNPCの精神との接触は1PCにつき1NPCまででお願いします。
別途描写不要のPC間のやりとり(情報交換等)はしていただいて大丈夫です。

リベル・オウスさん
遺体が氷の大地にあるか、リモス村に帰還しているか選択していただけます。
帰還している場合は、水の魔術師により氷の中に閉じ込められて運ばれ、村で埋葬されます。埋葬はリモス島の水没の危機が去った後に行われる予定です。

ウィリアムさん
帝国への帰還を選ばれた場合、アーリーに協力する、もしくは止めるといった行動が可能です。
氷の大地に残っている場合、火の一族の力でリーザの精神に語りかけることが可能です。
レイザについてはごく僅かな思念しか残っていないので、意思疎通は出来ないです。
尚、氷の大地に残ったとする場合、自身だけのアクションで生還は出来ないです。
複数人からの救出アクションがあり、且つそのアクションが成功すれば、生還できるかもしれません。

救出アクション一例→航海術のある者がアルザラ1号、もしくは箱船2号を迅速に氷の大地に救助に向かわせる交渉の成功、且つ救助活動をするメンバーがいるなど。
※帝国の小型魔導船では、積載量などの関係で行なえません。

シャンティア・グティスマーレさん
宮殿に残って研究員となる場合、帝国籍となります。
アーリーのたくらみを察しての行動でも構いません。

ナイト・ゲイルさん
氷の大地での活動の功績が認められ、帝国騎士として任命されます。
辞退も可能です。

マーガレット・ヘイルシャムさん
帝国籍となりましたが、帝国貴族としての身分はないため、貴人の侍女や家庭教師などに就かない場合、街の集合住宅暮らしとなります。
NPCの今後が定まっていないため、決めかねるとは思いますが、お心に留めておいてください。

ロスティン・マイカンさん
お陰さまで、アクションによる妨害等がなければ、エルザナが命を落とすことはないと思われます。
エルザナと共に要人に仕え、宮廷暮らしを続けるか、城下町(騎士・貴族居住区、賃貸!)に移り住むかご検討ください。エルザナはロスティンさんに従います。

マルティア・ランツさん
マテオ・テーペにいる場合、マルティアさん個人がどのように過ごしているか(マテオ内部の状況描写を含まない範囲)、何を考えているかのみ描写が可能です。
継承者の魂に伝えたいことがある場合は、ブレイブ号に乗って戻ったとして、シャナやセゥに話しておくと対象に伝えてくれるかもしれません。

 

■Q&A

Q:魔力を統べる王が誕生してから、世界が安定するまでどれくらいかかる?

A:数十年~百年位です。

 

Q:世界に生きているPC以外の一般人は、突然選択を迫られても、みんな魔力を手放したくないと思うのでは? 魔法便利だもの。

A:魔力を持っていれば、歪んだ魔力の影響を受け続けること、魔物化する可能性があることは、マテオ、アトラにも伝わっています。

また魔力があっても、魔法は学んでなければ使うことができず、学んでいても普通の人(平均能力値8)は魔法で大した現象を起こすことはできません

魔法具も希少であり、一般家庭(貴族含む)で使われてはいません。

従って、継承者の一族(歪んだ魔力の影響を受けない)にもならず、魔力を持った人間でいたいと思う一般人NPCはほぼいないとお考えください。

 

Q:継承者の願いって、どの程度のことが実現可能なの?

A:自身の魂の力だけでは、ささやかな願いしか叶いません。

同じ願いを持つものが、大勢魔力を還す選択をした場合、大きな願いも叶うかもしれません。

 

Q:ちょっと、状況が、つかめ、ないん、ですがー。

A:ゾーンシナリオのあらすじと、ワールドシナリオ後編第4回のエピローグはご確認ください。余裕がありましたら、魔力の理の確認もお勧めいたします。


■マスターより
お世話になっております、川岸満里亜です。
こちらのシナリオはカナロ・ペレア、メインストーリー最終回となります。
行動の選択肢は設けていないので、これまでのリアクション、ストーリー、あらすじを参考に、この時期のご行動をお決めくださいませ。
世界に影響を及ぼすことをされる場合、記憶違いで取り返しのつかない結果にならないよう、状況の把握に務めていただけますと書き手も皆も助かります。


ところで、万が一マテオ・テーペにいる人々が全て魔力を手放してしまったら、障壁を維持できないのでは? と心配される方もいるかもしれませんが、そのあたりに関してはランガスを信じていただいて(気にしなくて)大丈夫です。

 

リアクション公開後には、日常系シナリオと、後日談シナリオを行う予定がありますので、ご自身の結末はそちらに回していただき、こちらでは世界や地域、生命の未来を創る行動を優先していただけましたら幸いです。
後日談は、シリーズ全PC参加OKにできればいいなと思っています!

***

こんにちは、冷泉です。
ようやくここまで漕ぎつけることができました。
参加してくださった皆様のおかげです。ありがとうございます。
最終回もどうぞよろしくお願いします。