ワールドシナリオ前編

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『深淵の眼差し かげろうの蒼』第1回


第1章 準備
 作戦の日は朝早くから街は緊張に包まれていた。
 騎士団やスヴェルだけではなく、住人達も厳しい表情でそれぞれやるべきことを進めている。
 どこかひっそりしながらも、人々は忙しなく動き回っていた。

 スヴェル本部のエントランスは、ボランティアの受付けのために開放されることになった。
 そして受付け担当の一人であるキャロル・バーンは、次々と提出される受付票を希望箇所ごとに手早く分けていった。
「キャロルー、受付票まだいるのかー?」
 今度は受付票に記入する各項目を用紙に書いていってくれているスヴェルの子供達からだ。印刷機は大洪水で失われ、宮殿にたった一台だけが残されている。大変な貴重なため貸し出しは難しい。
 キャロルはボランティア参加希望者の列を確認し、
「あの、あと五十枚くらいお願いします」
 と、追加を頼んだ。
 引っ込み思案な彼女だが、スヴェルでの活動を機に変わりたいと思っていた。グレアム・ハルベルトのような強く、優しい人になれたらと。

 崖上では、スヴェルのメンバーやボランティアによりバリケードが築かれていっていた。グループに分かれて作業は行われていたが、その中心にいたのはコタロウ・サンフィールドである。
 マテオ・テーペの箱船で技師長を務めていた彼は、その技術を応用してより強固なバリケードを考案し、グレアムがそれを採用した上に班長を任せたのだ。
 そしてコタロウの傍ではマシュー・ラムズギルと共に来たスラムの子供達がせっせと働いていた。子供達はマシューの私塾に通う子達だ。
 バリケードは海賊が崖を登ってくるのを防ぐために、崖から突き出す形に組まれていた。
「杭に油を塗って。滑って掴みにくくなるからね」
 一生懸命に作業をする彼らだが、一般の参加者からは遠巻きにされていた。海賊もスラム出身者が大半だからだ。
 マシューはそれを承知の上で、参加を希望した子供達を連れてきた。
「いつか海賊もスラムもない世の中にしたいのです。そのための一歩です」
 そう言った彼は、コタロウに頼まれて鉄条網を巡らす作業を手伝った。子供にやってもらうには危ないからだ。
 実はこのバリケードには続きがあり、リサ・アルマが提案した監視拠点と連携している。
 リサは今後の海賊との戦いにおいて、補給・休養・監視・中継を行える拠点が必要だと説いた。開発室でそれは認められたが、拠点造成に必要な資材の調達と工事までは今回の作戦には間に合わないだろうとされ、次の作戦のために準備を行うことになった。
 会議後、リサは現地に赴き魔法で基礎だけは整えておいた。
 ふとリサは、スラムの子がマシューから見えないところで嫌がらせにあっているところを目撃してしまった。
「あんた、そんなくだらないことをしにここに来たの」
 つっけんどんに言うと、誰も見ていないと思っていたらしい男は慌てて去って行った。
 子供から事情を聞いたのだろうマシューが貴族らしい品の良い礼をしたが、リサのほうは軽く手を振って返しただけだった。
 バリケードが完成に近づいた頃、ジン・ゲッショウがスヴェルの仲間達と共に大きな荷車を引いて現れた。
 荷車には組み立て式の投石器と多数の小さな壺、それから油壷が積まれていた。
 今から小壺に油を入れて封をしていく。これを投石器で投げて火炎瓶として利用するつもりだ。
 また、もう一つ提案した炮烙玉と投箭だが、こちらは作成に時間がかかるとのことで今後の開発項目に追加されるに留まった。炮烙玉に魔法鉱石が必要になるため、加工に時間がかかるのだ。投箭の製作は問題なくできるとの見込みだ。
「疲れてるところすまないが、火炎壺作りを始めたいがよろしいか」
 任せろ、と仲間達から気持ちの良い返事をもらった。

 宮殿内に設けられた開発室での会議が終わり、リサとジンを見送ったマティアス・リングホルムはこれからどうするかと考えた。
 会議の席でマティアスはゴーレムの作製を提案した。例えばそのゴーレムに地面を掘らせて海岸へ出る通路を作るのはどうか、というわけだ。成功すれば奇襲を行えるかもしれない。
 しかしゴーレムを作るには魔法鉱石等の資材やそれを加工する技術のある者の確保、また予算の都合もある。
 もし今後それらが早くに調えられれば、あまり時間をかけずにゴーレムは作れるだろう
「よし。とりあえず相談に乗ってくれた姫さんに報告だな」
 マティアスはルース・ツィーグラーの部屋へ歩みを進めた。

 ボランティア受付けも一段落着いた頃、リュネ・モルは数人のスヴェルの仲間と共に街へ見回りに出た。
 ボランティア参加者がおおむね出払った街では、残った人達が日常生活を送っている。リュネはその一軒一軒を訪ねて『にこにこあいさつ運動』を行った。
 万が一、留守宅や空家を海賊が狙った時に犯行を阻止するための声かけである。
「近所で見かけない顔を見つけても、慌てず騒がずまずは挨拶をしておいてください。それだけで相手は警戒します」
 通報はその後で、とリュネは言った。
 このように住人に呼びかけておくことで、スヴェルの手の届かないところをカバーする人員を確保する狙いがあった。
 成果があったのか、作戦終了まで街は静かだった。

 今回の海賊の行動にマーガレット・ヘイルシャムは多くの疑問を持っていた。
 魔物を従わせる術と燃える島には何か関係があるのか。
 人質の多くが資産のない漁師なのはなぜか。
 その謎が少しでも解ければと、彼女は炊き出しのボランティアに参加した。
 その時数人が集まっていてところから憤慨の声が響いてきた。
「魚が食えないのは海賊のせい!? 許せないアル!」
 シャオ・ジーランの声だった。
「スヴェルと騎士団の皆さんの胃袋が……そういえば、騎士団にはどれくらいの人が所属してるアル?」
「貴族と騎士合わせて二百人くらいよ」
 答えたのは騎士の一人だ。
 その二百人中、戦闘能力を持つ成人騎士は百人ほどで皇帝への忠誠心も高いという。しかし約二万人の民を守るには足りず、スヴェルや傭兵騎士で補っているのが現状だ。
「皇帝は厳しい人なのアルか?」
「寛大なお方よ。厳しいのは団長のほうね」
 大きな声で話していたのでマーガレットも聞こえてしまっていたが、彼女の疑問に答えるような内容ではなかった。
「謎の術、燃える島、人質、海賊……う~ん、わかりませんね」
「海賊共を捕まえればわかることさ」
 思わずこぼれた独り言に答えたのは騎士だった。しっかり武装しているから前線に出る騎士なのだろう。
 マーガレットはご武運をと言葉をかけながらスープを手渡した。

第2章 崖下の戦い
 ここは、崖の下。
 煮えたぎるような瞳で一角海獣型の魔物と――そしてその後ろに控える海賊と対峙した大女がいた。名は、リンダ・キューブリック。既に数体の魔物は、彼女の愛用するヘビーメイスによって打ち砕かれている。利き手に力を込め、腹に気合を入れる。
「どうやらここからが本番らしい」
 彼女の横で、騎士団長がぼつりと呟く。
「すべて打ち砕くまで」
 リンダは視線を向けず、ただそう答えた。滾る闘志が、大きな身体を一層大きく見せる。瞬間、彼女の体は躍動し、海獣の間合いへ。角を盾で振り払い、メイスでその横面を思いきり捉える。重たい一撃が、目にもとまらぬ早業で叩き込まれた。
 彼女のほかにも、最前線の戦況をコントールしている者たちがいた。ナイト・ゲイルは大太刀を振り回し、次々と海獣を斬り捨てていく。鋭い切れ味で、というよりは、もっと叩き斬るような、全身の筋肉を震わせた一撃を、何度も繰り返し叩き込む。一見ただ乱暴そうにも見えるその動きは、しかし、的確に海獣のみを狙い撃ちにしていた。こちら側の「有利」をアピールすること、そしてそのために、魔物を殲滅することが彼の目的だ。決して、海賊を撃墜することではない。そして、自分が注目を集めることで、他の戦力が的確な仕事をこなせるようにする。
「……ッ……!」
 彼は息を詰まらせながら、休むことなく魔物を暗い水底へと沈め続けた。
 同じように、大立ち回りを行っている男がいた。ジェザ・ラ・ヴィッシュだ。
「まつろわぬ咎人どもよ、このジェザ・ラ・ヴィッシュの裁きを受けよ!」
 彼は勇ましく名乗りを上げ、海賊と魔物に真正面から突撃する。一撃、二撃、三撃……彼の振り抜いた刃は防がれたり、急所を外れたり。それでもなお、連続で叩き込んでいく。お返しとばかりに反撃ももらって、互角とも言える状況だ。……だが、立ち回りに加えて大声を張り上げた効果もあってか、ジェザを囲むように敵が集まってくる。
「って――そんなに来る?」
 見る見るうちに数人の海賊と十近い魔物に囲まれる。まずい、と剣を握りなおしたとき、何者かの剣撃が魔獣の背を引き裂いた。
 キージェ・イングラム。彼は短槍を振り回し、魔物の警戒を分散させた。
 戦闘経験が浅い分、どうしても一撃で急所を突くような攻撃が繰り出せない。しかも武器のリーチが短い分、彼のすぐそこまで攻撃の手は伸びてくる。キージェが囲まれそうになれば、今度はジェザが叩き斬る。無言の連携が、戦況を有利に運んで行った。
 短槍の死角から、もう一体の海獣が飛び出してきた。
「ぐっ……!」
 間一髪それをかわす。他のことを考えている暇はない。この海賊が生きる術が、この世に生きていてもいいという理由があれば……。湧きあがっていた感情を押し殺すために、彼はひときわ力強く叩き斬るように振り抜いた。キージェには、負けられない理由があるのだ。
 まだ、こんなところで死ぬわけにはいかない。彼女を悲しませたりすることだけは、絶対に避けなくては――。
 そこから少し離れたところに、凛と佇む少年の姿があった。ヴォルク・ガムザトハノフは最前線で魔物と対峙している。先に虚を見せれば、そこに付け込まれる。
「我は魔狼なり……我が咆哮に、敵う者無し」
 敵は何やら身の危険を感じたのか、後ずさるように身を引いた。だが、もう遅い。すでに彼は、ヴォルクの風の中にある。
「我が一撃は――無敵なり!」
 一気に距離を詰め、拳を魔物に叩き込む。ヴォルクの餓狼空牙(クリークヴォルカ)を受けた魔物は、瞬間膨らんで、そのまま力なく海底へと引きずり込まれていった。

「みんなやってるね……私も頑張らないと」
 崖の上から戦闘の後方支援をしていたヴィオラ・ブラックウェルは、水際で繰り広げられている戦いに目を見張っていた。既に多くの戦士が崖下へと移動しており、あとは捕虜として海賊を捕らえて連行するか、あるいは――。
 うわぁっ、とどこかから悲鳴が聞こえた。ヴィオラが見やると、まさに魔物が戦士の一人に襲い掛からんとするところである。彼女はとっさに、崖の上に積もった土を、思いきり風の力で飛ばした。粒の粗い湿った土は、見事に海獣の眼球に直撃する。「グァアァガァ」と、悲鳴が遠くでこだました。
 彼女の一撃は小さかったようにも見えたが、これを境に戦況は拮抗から、帝国側有利へとどんどん傾きを強めていく。

 多くの騎士団員が刃を向ける中で、一人異彩を放つものがいた。彼、アレクセイ・アイヒマンは、ほとんど丸腰だ。その不穏さからか、かえって彼の周りに敵は少ない。ただ一人の、海賊を除いては。
「俺らの言い分だァ!?」
 彼に切っ先を向けたまま、大柄な海賊が目を剥いて迫る。
「この海、海岸は、俺らのモンだと認めろ。そうすりゃ、コイツらを引っ込めてやっていいぜ」
「私たちは、どちらもあの悲劇から生き残った者。争うことが本当にしたいことなのか?」
「カネだよ、カネ。お前らがこの海を使いたいっていうんならよォ、俺らに許可取ってからにしろってんだ!」
「話し合えば、分かるはずだ」
「はんっ、馬鹿言え! どうせ捕まえて豚箱送りってオチだ。騙されるヤツなんか居ねえよ!」
 平行線をたどる会話。海賊とアレクセイの奥に見える海面が、ゆっくりと盛り上がっていく。
「悪いな兄ちゃん、消えな」
「残念だよ。実に残念だ」
 水面から顔を出した海獣を、一閃、斬り捨てたものがあった。
「なッ、なんだぁてめェッ!?」
 驚いて後退する海賊を素早く足蹴にして組み伏せる。海賊は少しばかり抵抗してみせたが、それが無意味なものだと悟ったのか、じっとただ黙り込んだ。
 彼女はタチヤナ・アイヒマン。アレクセイの妹だ。
「助かったよターニャ」
「兄様、やっぱりどうかしてる」
 タチヤナは改めて海賊をぎっちり縄で捕縛する。
「もし私が倒さなかったら、どうするつもりだったの」
「でも、ターニャは助けてくれた」
 彼女はぽわわんと笑う兄の顔を見上げ、それから溜め息をついた。それから組み敷いた海賊を見やる。
「ところで。見たところ、この辺りに魔物使いはいないみたいだけど、本隊はどこかな」
「ふん」
 分かりやすく首を横に振る賊を、彼女はより強く縛り上げた。ぐぇ、と小さく声が漏れた。
 ルティア・ダズンフラワーもまた、剣撃で魔物を無力化していた。普段は狂暴ではないはずの海獣たち。彼らが牙を剥くその原因は――。彼女は致命傷にならないように、そして少しの間は動けないように、丁寧に魔物を薙いでいく。
 そのうちに、彼女もタチヤナ同様、あることに気付く。
 それは、指令塔の不在。最前線にはおらずとも、本来はどこかに指揮官がいるはずだ。それが、いない。つまり、この魔物たちを操っているのは、この海賊たち個々人か、それとも――。
 後ろ手に縛りあげた海賊を立ち上がらせると、向こうで他の者たちが続々と海賊を捕縛しているのを確認する。
「怪我はないか?」
 ヴィスナー・マリートヴァが彼女の元へと歩みより、捕縛した海賊を回収した。
「私は大丈夫。それより気になることが――」
 彼女の目が海岸線を追う。そこには、やはりあるべき存在がないのであった。

 アウロラ・メルクリアスは、縄で縛り上げられた海賊と何やら話し掛けているようだ。捕まえる際に抵抗され手先を怪我しているが、それを気に留めている様子はないらしい。
「なんで、海賊なんかに?」
「食うもんがねぇからに決まってんだろ」
 むしろ海賊こそが彼女を負傷させたことをよく思っていないのか、目を合わせようとしない。
「俺たちゃあ、ほとんどがスラムで育ってんだ。海はいいぜ。食うもんがある。自由がある。あそこにはなかった全部が、海にはあるんだよ」
「だからって」
 アウロラは息を詰まらせた。
「戻らないの?」
「戻る? どこにだ? あの島は燃え続けている。俺たちが足をつける陸地は、この海岸線だけだ」
 ようやく、睨みつけるように彼女を見る。その瞳は、震えていた。
「それとも、俺たちをスラムに戻すか?」
「お取込み中のところ失礼するよ」
 既に何名かの捕縛者を引き連れたヴィスナーが彼の話を遮り、アウロラから海賊を回収していく。
「失礼します」
 入れ替わるように、崖側からマルティア・ランツが駆け寄ってくる。「ケガしてますね?」とアウロラに近寄ると、すぐさま携帯した医療箱から薬草のようなものを取り出した。
「ちょっとだけ染みますよ」
 そう言うが早いか、アウロラの顔が、ぎっと苦しそうな表情になる。不意に引っ込みそうになった手を、マルティアの指が引き留める。
「ここで少し処置しておくことで、治りが早くなりますから。大きな傷ではないみたいですが、一応衛生兵のところまで行きましょう。痕が残らないように、診てもらった方がいいです」
 そう言って、彼女はあたりを確認した。動けなさそうな味方はいないらしい。ほっと胸を撫でおろし、アウロラの手を引いて元来た道を引き返していった。

 引き捕らえられた海賊の中には、崖下のごつごつした岩肌でばっくりと大きな傷を負ったものもいた。
「お前、何してやがる!」
 衛生隊の一人から罵声を浴びていたのは、タウラス・ルワールであった。
「我々は魔物を従わせる術を探りたいのではないですか? 彼らは貴重な情報源であり、交渉の材料にもなり得ます」
 彼はそう言いながら、衛生兵には目もくれず海賊の治療を行っていた。
「助けるメリットは、十分にあるのではないか、っ、とッ」
「ッあっ……!」
 ぎゅっと包帯を結んでやると、裂けた傷口から血がにじむ。まっさらだった包帯は、すぐに暗褐色に染まった。
「くそッ……」
 手当てを受けていた男は、最後の力を振り絞って風刃を放つ。それはタウラスの頬をかすめ、彼に小さな傷を作った。だが、彼は動じない。
「じっとしていなさい。大きな傷です。暴れれば出血が増え、命にかかわりますよ」
 自身の頬から血を流しながら、海賊を圧迫止血していく。
 彼と同様、敵に対しても人道的救援活動を行っているものがいた。クラムジー・カープだ。
「落ち着いてください、私はリモス村で暮らすマテオの民です」
 しかし、やや興奮状態にある海賊は「助けてくれ」と懇願するばかり。
「リモスだァ!? 俺はこれからリモスで強制労働かよ!」
「違います、そういうことではなくてですね」
「海を離れるのはイヤだ! 帝国になんか、俺は屈しねえぞッ! お前だって、帝国なんてって、そう思うだろ!?」
「それでも、生き延びなくてはならないのです」
「うるせぇ! それなら死んだ方がマシだ!」
 抵抗する海賊を押さえつけ、治療を続けた。
 海賊は半分以上がお縄を頂戴しているようだ。重傷負傷を問わず怪我人はいるが、凄惨な結末だけは迎えずに済んだらしい。ただ、まだ油断は出来ない。

 崖上から下りて行く小型船の中。
 カーレ・ペロナは現在の戦況を書き上げた紙を確認しながら、小さく溜め息をついた。
「戦況有利、ですか」
 そう言って、船から戦場を見た。既に戦闘のほとんどが自軍の勝利という形で終息に向かっているという伝令文章の内容は、彼の目から見える光景と相違ない。小型船の上を、次々と火炎壺が通過していく。着弾したところで火の手が上がり、魔物をひるませていたのもかなり効果がありそうだ。
 ゴゴッ、と小さな衝撃があった。崖下に着陸したのだ。
「走り回っている甲斐があるというものです」
 一緒に乗り込んでいた衛生兵に微笑みかけると、カーレは小型船から飛び出す。何往復目なのか、そしてこれから何往復する必要があるのか。戦況伝令を指揮官の元へと届けるために駆け出した。
 崖の上では、こちらも長い時間小型船の上下動をサポートしてきたステラ・ティフォーネが、気力を振り絞っていた。小型船の原動力は魔法鉱石。安定していないわけではないが、万が一何かがあっては困るために、サポートの手は休められない。
 崖の上ではバリケードが太陽の光を反射し、キラキラと光る。ここまで登ってくる海賊はいない――いや、今来た! ステラの見ている前で、わしっと強力にバリケードを掴んで――瞬間、崖下へ。やはり油を塗り込んであるのが効いているようだ。ステラは彼を見殺しにしないよう、彼の下に重く厚い空気の層を作ってやる。
 その流れで崖下に目をやると、複数の海賊が、カーレと入れ替わるように船を襲おうとしているのが見えた。
「っ!」
 ステラはとっさに圧縮した空気の弾を放ち、彼らを弾き飛ばす。これも、ただの1回や2回ではないのだから、後方支援と言っても気が気ではない。幸いなのは、戦況が有利であること。もし押し込まれていたら……それを考えただけで、彼女は背筋を寒くした。

 しかし、彼らの戦いによって、少しずつ帝国軍の勝利が近付いていることは、間違いない事実であった。

第3章 野戦病院
 崖上の一画に騎士団とスヴェルにより野戦病院が設営されていた。彼らの他にボランティアなども準備に加わり、リモス村から参加した一人にリベル・オウスもいた。
 彼は大量に運ばれてきたシーツなどを周りと協力して整えていった。
「もう始まってるんだよな。急がねぇと」
 またテントの外ではアルファルドが簡易担架をスヴェルの看護師と作っていた。
「まったく、鉱石の採取もあるのにどうしてこんなことまで……」
 ぶつぶつ文句を言いながらも、この簡易担架の作り方を教えたのは彼だったりする。
 そしてあらかた準備が整った頃、崖下からかすかに聞こえてきていた音が急に大きくなった。
 海賊に攻め上られてきたのではない。怪我人が運ばれてきたことが聞こえてくる声からわかった。
 切羽詰まった声が担架の追加と治療を叫ぶ。
 リベルとアルファルドが素早く動いた。
 運ばれてきたのは重傷者で、特に腹部の出血が激しかった。崖下で応急処置を受けたあとがある。
「こっちだ!」
 大きく開けられたテントの中にリベルが声をあげて誘導する。
 薬師としての腕がある彼は、この一人を最初にこれから幾人もの重軽傷者の治療にあたることになる。
 アルファルドもまた、用意してあった分の担架では足りなくなって追加を作ったり、骨折者用の添え木を製作したりとしばらくは休む間もなかった。

 スヴェルの看護師にはすでに許可をもらった。
 医療の心得のあるユリアス・ローレンは、騎士団員やスヴェルの治療の他に捕縛された海賊の手当ても行っていた。
 いてぇ、と騒ぐ海賊の治療に手間取っていると、ローデリト・ウェールがすぐに駆け付けてきて押さえてくれた。
「大丈夫、助かる傷だよー」
 安心させようと声をかけてくれている間に、ユリアスは手早く傷口を水で洗い地の魔法で回復力を高める。それから傷薬を塗り包帯を巻いていった。
 手当てをしながらユリアスは海賊の様子を観察する。
(魔物を従わせる術があるなら、人を操る術もあるかもしれない……でも、この人は正気みたいですね)
 結局最後まで騒いでいた海賊は、スヴェルの団員に別の場所へ連れて行かれた。
「あれだけ元気ならすぐに良くなるねー」
「そうですね。押さえててくれてありがとうございました」
「お礼なんていいよ。さ、次いこー」
 その後も何人かの海賊の手当てにあたったが、正気を失っている者はいなかった。
 看護師の中には海賊の治療に難色を示す者もいる。
 そういう人を見ると、ローデリトは複雑な気持ちになった。
(僕達だって海賊になるか死ぬかの選択迫られたらわかんないから死んで当然とは思わないし、寝覚め悪いからねー)
 だから彼女は立場関係なく手当てを続けた。

第4章 排撃
「魔物を操っているものが誰なのかは、現在不明です」
 ヴィスナーは騎士団長にそう告げる。アレクセイやタチヤナ、海賊たちから聞いたこと。そして、彼自身が見たこと。彼が戦場で見聞きしたすべての情報を総合して、そう伝えた。
「どこかにはいるはずなのですが、それが分からないのです。おそらく、海岸には居ないのではないかと」
 騎士団長は「そうか」と小さくつぶやいた。人々を鼓舞していた時とは全く違う、深慮のある表情。この緩急こそが、彼を大人物たらしめる理由なのかもしれない。
「人質はどうだ?」
「それなのですが――」
 戦況はほぼ終息に向かっていた。帝国の「敵対勢力排撃」という当初目標が達成されつつあったのだ。あとは、人質の解放が課題だったのだ。

 フィラ・タイラーは、人質にされていた。
 敗戦色が濃くなった海賊たちの焦りは見て取れるが、彼女が知りたいのはこの戦いの行方ではない。目を伏せ、状況を伺う。フィラが知りたかったことは、彼らが魔物をどう操っているのか。普通であれば、魔物が海賊に従うはずなどないのだ。その情報は、間違いなく金になる。
 幼体から調教して信頼関係を築いた? もしくは特別な魔法や魔法具を開発したとか……。でも、海賊なんかやってるくらいなんだから、そんな勤勉さも根気も予算も設備も無いはず……。だとしたら、そんな魔法具を偶然手に入れた、ってところ?
 フィラは大人しく口を閉じたまま、頭の中で思考を巡らせる。だが、海賊たちは少しも彼女にヒントらしいものを与えることはなかった。
 リキュール・ラミルもまた、フィラと同様人質になっていた。彼は新しい海魚の仕入れルートを探っていただけだった。「だけ」とは言うが、スラムの人間を介して海賊と接触したのだから、ある意味自業自得ではある。
 せめてスヴェルや騎士団への手土産に情報を、と思いながら魔物を観察するが、はっきりと分かりそうなものはない。少しだけ気付いたのは、魔物が「海賊の求めるとおりに動こうとしている」こと。つまり、何らかの制御によってきっちりと統制されているらしいのだ。だが、それを指示しているものの姿は見えない。
 トゥーニャ・ルムナは、海賊の状況を調査しようと海岸まで来ていたところを捕らえられていた。警戒されては困ると武器を携帯していなかったのが、裏目に出てしまった。隙を見て逃げ出すべきだろうが……。
「おいお前! 立て!」
 海賊の一人が、トゥーニャを乱暴に呼びつける。彼女は言われるのに従って、立ち上がった。
「悪く思うなよ、上からの命令だ」
 そう言うと、彼女の首を後ろからホールドし、ナイフを突きつけた。
「お前は俺の盾になれ、一足先に撤退させてもらう」
「えっ、ちょっと……!?」
 瞬時抵抗しようとしたトゥーニャだったが、その口を閉ざし、黙って海賊に連行されていった。

 バルバロは小さな小屋から身を乗り出して大声を上げていた。
「聞け、お前らッ! もし来るなら、この小屋全部、人質ごと焼き払ってやるッ!」
 岩に響いてこだました彼女の声。バリケード――と呼ぶには心もとない布や漂流物の残骸。それですら、貧民街出身の彼らにとっては貴重な物資だ。それを燃やしてしまうのも惜しいが、籠城するほどの余力があるわけでもない。苦肉の策なのだ。
 だが、帝国軍は何の容赦もなく、次から次へと攻め込んでくる。
「クソっ、本当に人質ごと蒸し焼きにしてやるからな」
「待って!」
 バルバロが苛立っているのを、メリッサ・ガードナーが諫めた。そして耳元で囁くように言う。
「人質は大事な取引材料でしょ? 丁重に扱って……そう、例えば海賊船に移しちゃうとか」
 彼女の提案にバルバロは一瞬イヤな顔をしたが、大きく息を吐くと、「そうだな」と答えた。
「いいかお前ら、聞け」
 バルバロは人質たちに向かって声をあげた。
「これからこの小屋を燃やす。死にたくなかったら、土壁の中に入れ」
 彼女はそう言って、小屋の床板を突き破って土壁を形成し始める。信じていいのか、それとも。動揺する人質たち。
「小屋に点火まで、10、9……」
 そのカウントダウンに、青ざめた彼らが土壁の中へとなだれ込んだ。

 ロスティン・マイカンが崖下に下りたとき、ちょうど近く古ぼけた小屋から火の手が上がったのが見えた。
「あっ、えっ!? 火の手?」
 驚いた彼は、水魔法を駆使して火を消し止める。ごぉうっ、と瞬間的に上がった黒煙は、彼の魔法で鎮圧させられた。
「それよりも海賊を……って」
 彼の視線の先にあった小屋から、びしょ濡れのバルバロとメッリサ、それに数十人の人質らしき人たちの姿があった。
「ひとまず、足止めから……!」
 ロスティンはバルバロのすぐ近くに水の球を放ち、逃げようとする先をふさぐ。「ちっ」とバルバロが舌打ちした表情が、離れた位置からでもしっかりわかった。
 さらにそこに、ナイフを投擲したものがあった。ウィリアムだ。彼のナイフは、あくまでも威嚇用。速度も遅く、弾かれること前提だ。そして案の定、彼女にぱぁんと軽く弾かれる。
 ウィリアムバルバロを睨みつけながら、心の中で思った。あまりに静かすぎる、と。
 敵は海獣と賊の集まりだ。それにしては統率が取れすぎている。魔法なのか? だが、そんな魔法は……普通の力じゃねえ。賊の中に、特殊な力の、継承者の一族がいるのか……?
 それともう1つ。それは、多くの帝国軍参加者が感じた疑問だった。「指揮官」は? ウィリアムはあたりを見回す。だがそれらしい人物は見当たらない。今一番その可能性があるのは――。
「お前か」
 そう言って、今度はさっきよりもずっと早いスピードでナイフを投げる。バルバロは頭部に向かって飛んでくる刃を、首を傾げて避けた。だが、その頬に小さな切り傷がついて、一筋の血が流れた。
 バルバロの注意がそがれている間に、すぐ後ろで、小さな動きがあった。
「大丈夫?」
 人質たちに小さい声でささやく者がいた。繊維がよれてボロきれのようになっているが、辛うじて服の形状を保っているものを着ている。だが、その顔付きはとてもスラムの民には見えない。
「今がチャンスだよ」
 彼、エルゼリオ・レイノーラは、人質に擬態して戦況の好転を待っていたのだ。風の力を使い小さな鎌鼬を起こすと、あっさりと麻縄を切断し、人質となっていた人たちを解放していく。
 彼は鎌鼬を使いながら、海賊たちの動きを分析する。これまでの彼らとは、何かが違うような気がしたのだ。誰かに扇動されているのか? だとしたら、その目的は一体……。
「さて、さっさと退却だ」
 エルゼリオたちは、そっと気付かれないように小屋の裏手側へと回って逃げて行った。

 ばうんっ、と大きな火柱が上がった。ロスティンとウィリアムはまばゆさに目を細め、腕で光を遮る。
「ちっ、遅れを取ったか」
 エンリケ・エストラーダはあからさまに不愉快そうな表情で対峙する2人を見ている。
「どんぐらい連れてかれたか分かるか?」
 エンリケの質問に、バルバロもメリッサも答えない。答えを知らないからだ。今も崖を行き来する小型船は、捕縛した数人の海賊を野戦病院へと運び込んでいる。で、病院の次は――。エンリケは、力強く気を吐いた。
「仕方ねえ。先に行かせた奴もいるが、俺らも残った人質連れて、このまま船で退却だ。沖まで引き上げるぞ」
 そう言う彼に向って、高速で移動してくる影が1つ。一撃加える前に、バルバロの土壁がその攻撃を吸収した。崩れる土壁。手前側にはバルバロとエンリケ、そしてメリッサ。向こう側には――。
「メリッサ!?」
「ヴォルクくん……」
 驚きに固まるヴォルクをよそに、バルバロは彼女の腕をつかんだ。
「一緒に来るのか? それとも」
「……行く」
 新たな土壁が構築される。2つの視線は、そこで途切れた。

 船が、次々に退却していく。
 エンリケは最後まで、海岸に向かって強烈な火炎弾を放っていた。だが、あくまでも帝国側の狙いは「排撃」であり、「殲滅」ではない。そして複数の人質が船に乗っている以上、むやみな反撃は出来ない。
「してやられました、かな?」
 リキュールがひざの埃を払う。少しだけ傷を負ったリンダが、彼の横に立つ。ただでさえ背の低い彼は、大女の横ではひときわ小さく見える。
「おいカエル、何やってんだ?」
「人質を少々」
 つまらなさそうな顔をして答えるリキュール。
 遠くに見える船は、危機が去ったことを告げているのか、それともこれから始まる不穏な日々を暗示しているのか。それは誰にも分からなかった。

 

 

 作戦が終わり騎士団本部に騎士達が帰ってきた。
 怪我をした者も多数おり、その姿にコルネリア・クレメンティは息を飲んだ。しかしすぐに気持ちを立て直し、仲間達に呼びかける。
「こっちで制服を洗いますわ! 回収に行きますからまとめておいてくださいね!」
 その間にコルネリアは洗濯用の湯を沸かした。
 準備が整ったところで回収へ行こうとした時、後方支援にあたっていた仲間達が大量の制服を積んだ大きな籠を運んできた。
「私達も手伝うわ。みんなで一気にやるわよ」
「お疲れなのに……ありがとうございます!」
 相変わらずでかい声ね、とからかわれながらコルネリアはせっせと洗濯を始めた。次の作戦の時に気持ち良く出られるようにと願いながら。

第5章 エピローグ
 作戦終了後、宮殿の作戦会議室では報告会が行われていた。
「──撤収後もしばらく様子を見ていましたが、海賊船が目視できるくらいに接近してくることはありませんでした。引き続き監視を続けます」
 騎士団長が締めくくると、室内にホッとした空気が漂う。
 ひとまずの脅威は去ったようだ。
「おそらく、海岸に近づけば撃沈されることをわかっていたのでしょう。捕らえた海賊の様子ですが、全員操られていた気配はなく、正気だったと考えてよいと思います」
「操られていたのは、魔物化した海の生物だけということか」
 続いたグレアムの報告に、ランガス皇帝は頷きつつも疑問を持った顔をした。
「たしか、海賊側に指揮官はいなかったのだったな?」
 前線で戦っていた騎士団長にランガスが確認する。
 間違いなく、と騎士団長。
「つまり、海賊船に乗っていた者が魔物を操って、海賊と共に海岸を襲撃したと……」
 推測を口にするランガスだが、明らかに自分の言葉を疑っていた。
 同席している研究者も「まさか」という顔だ。
「興奮状態にさせて無差別に襲わせることならまだしも、攻撃目標を特定させるような魔法具など考えられません!」
 ランガスと一部の高位の者達は黙り込み、何やら考え込んでいた。

 それから、今後の海賊対策が決まった。
 これまで海岸の管理は行われていかなったが、今回のような事件が起きたからには何もしないというわけにはいかない。
 ランガスはその役目を騎士団に命じた。
「人質は男性漁師二名とマテオ・テーペ難民の女性が二人だったな。うち一人は自ら向かったようだと言ったな」
「ええ、はい。信じがたいことですが……。もしや、全員グルだったのか?」
 ランガスの問いに答えた騎士団長は、セリフの後半で一つの可能性を呟いた。
 しかし、何の証拠もないのでこれ以上は考えても仕方のないことだった。
「何にしろ、人質解放のために交渉に向かう必要がある。そして、向こうが交渉に応じない場合は、救出作戦を行う」
 もともと拠点にしていた島が燃えているため、海賊船は停泊できる場所がない。海岸は騎士団の監視があるため近づけない。今まで行われていた漁師との取り引きもできず、海賊は食べ物のみならず飲み水の確保さえ難しい状況のはずだ。
 それを踏まえ、ランガスは交渉時期とそれが失敗した時の作戦実行時期を提案していった。

 

 リモス村でレイニやシャナ・ア・クー達は出航の準備をしていた。水の魔力の調整時に使う祭具をアトラ・ハシス島に取りに行くためと、強制収容所の人達を島へ連れて行くためである。
 と、そこに皇帝の使いとして騎士が訪ねてきた。
 今回の海賊排撃作戦で捕らえた海賊から聞き出した情報として、彼らが乗っていた船というのが、アルザラ港が大洪水に飲み込まれる前に出航した避難船であることがわかったと言うのだ。
 レイニは目を丸くした。
 自分のところの船が海賊船になるなど、驚きでありまた屈辱でもあった。
 そして避難船が座礁した場所が、姿を現す前の燃える島付近だったこともわかった。
「船の燃料は石炭だったから、今はきっと風任せの帆船でしょうね。石炭が入手できていなければだけど」
 レイニが船の現状を推測すると、シャナの目が好戦的に光った。
「もしかして、アルザラ号で奪い返しに行く?」
「それは……ダメよ。私達にはやることがあるでしょ」
 今回の帰還でレイニは航海士として船に乗ることが決まっている。
 またシャナは、風の魔力の継承者一族が持つ特殊な力でアトラ・ハシス島の山の一族との連絡係を継続して務めるため、護衛のセゥと共に帝国に残ることになっていた。
 祭具を乗せた船が帝国に帰還する際は、随時こちらの状況を連絡する役目もある。
「どれくらいで戻ってこられる?」
「帰還は半年以内にできると思う。船には私を含めて航海に必要な人と、収容所の人達だけを乗せていくわ」
 騎士の質問にレイニは答えた。
 それからレイニはやや迷ったような顔をして、今度はシャナに言った。
「場合によっては私は帰ってこないかもしれない。息子のこともあるから」
 レイニの息子は、まだほんの乳飲み子だ。
「うん、わかった。島に着いたら、みんなによろしく言ってね」
 使いを終えた騎士は本土へ戻っていき、レイニとシャナ達は出港準備を再開した。

 そしてその日のうちに、アルザラ1号は多くの人々を乗せて、アトラ・ハシス島へと戻っていった。


ワールド前編第1回終了時名簿
ワールド前編第1回終了時名簿

●スタッフより
【川岸満里亜】
ご参加いただきまして、ありがとうございます。構成を担当いたしました川岸です。
まずは海賊側PLは特に行動を決めにくかったかと思います。情報が少なくてすみません。
次回は海賊船側もオープニングで描かれる予定ですが、状況が帝国側PLにも丸見えになってしまうので、程度に迷っています。
今回は次回に響く怪我をされた方はいなかったです。捕縛されているトゥーニャさんに限り、自由な行動は難しいかと思います。
尚、海賊船(本船)から海岸までは個人の魔法で飛んで移動できる距離ではないです。
次回の展開はアクション次第で随分と変わると思います。次回も是非、よろしくお願いいたします!

【冷泉みのり】
こんにちは。リアクションの一部を担当しました冷泉です。
シナリオへのご参加ありがとうございました!
アクション文字数が少ないので、一点集中でPCの行動を書くとまとまりのあるアクションになると思います。
次回のご参加もお待ちしています。

【東谷駿吾】
ご参加くださりありがとうございました。主に戦闘シーンを描かせていただきました。
次回どうなるのか、私も非常に楽しみにしております。
どうぞ引き続き、よろしくお願いいたします。