はっぴはっぴ♪ はろうぃん


●精霊の森
 アルディナ帝国本土の南東にある森の中に、精霊たちが住まうといわれている森がある。
「精霊の姿は、神族と幼い子供にしか見えないんだ。だから今年は、こんなものを用意したよ」
 騎士団開発部に所属する中年男性が取りだしたのは、オレンジ色の魔法薬。
 飲んだ者を数時間だけ幼児に変えてしまう薬だ。
「遊び場も、お菓子も沢山用意したぞ。さあ、集え子ども達よ!」

「ここに、シートしいて、みんなでおやつたべるのね?」
 ちょこちょこ歩いてきた黒髪の女の子――シャナ・ア・クーが、広場の真ん中でくるんと回った。
「そうだよ、おやつは、おばけにへんしんして、おとなからもらうんだよ」
 やんちゃそうな男の子――バリ・カスタルは、白いシーツを持っている。
「おやつくれないと、いたずらするぞーっていってもらうの!」
 楽しそうに目をきらきら輝かせている女の子は、ルルナ・ケイジだ。
「よくわからない……」
 シャナに良く似た男の子――セゥはシャナの側で不思議そうに首をかしげている。
「おかしくれなかったら、いたずらしていいの? いたずらしたいー」
 ルルナと同じように、楽しそうに言ったのはアール。手に筆を持っている。
「何をするつもりなのかな? ふふっ、悪戯しかえしちゃおうかしら」
 子ども達に近づいて微笑みかけたのは、大人の姿のままのミコナ・ケイジだ。
「おねーちゃんっ」
 と、嬉しそうにルルナがすぐに飛びついてきた。
「むっ。おれあっちであそぶー。たんけんしよーぜー」
 途端、バリが不機嫌そうな顔になり、友達数人と洞窟の方へ行ってしまった。
「あ、あの……お姉様も……皆さんと遊んでは?」
 少女の姿のままのカサンドラ・ハルベルトが自分の腕にしがみついている幼い女の子――チェリア・ハルベルトに言った。
「や、こわい」
「怖いの?」
 見たことのない姉の反応に、カサンドラは少し戸惑うも、姉も小さな頃は自分と同じだったのかなと、親しみを覚えていく。
「カサンドラ、一緒に行ってあげなさい。身分も立場も関係なく、今は楽しく遊んでいいのですよ」
 大人の姿のままの、グレアム・ハルベルトがカサンドラとチェリアに優しく微笑みかけた。

「皆、とても可愛いです……」
「こんなに沢山の子どもを見たの、本当に久しぶりです」
 可愛らしい子ども達の姿に癒されながら、ベルティルデ・バイエルジスレーヌ・メイユールと共に、お茶の準備をしていく。

 ずんずん森の中を進んで、洞窟の側に来たバリは、半透明な子ども達の姿を見た。
「だれだ、おまえ」
「おまえこそだれだ」
「おれはバリだ。にんげんさまだぞ」
「おれはレイジャ」
「レイジャ?」
「ちがう、レイ……ジャッ」
 その精霊の男の子は自分の名前を上手く発音できないようだった。
「はっはっはっ、こどもだなー。おれのこぶんにしてやってもいいぞ~」
「うるしゃい。なんかおまえのこと、どこかでみたことがあるきがしたんだ。でもきのせーだからいい」
 精霊の男の子はすっと姿を消した。
「へんなやつー。よーしたんけんするぞ~。かわいいおんなのこのせいれいいるかな」
「かわいいどうぶつでもいいよー、でておいで」
 バリと友人たちは洞窟の中に消えていった。

 森の中の広場には、休憩が出来る小屋が1件。小屋の中には、お化けに仮装するための衣装が置かれている。
 水遊びが出来る小さくて浅い川が流れていて、川の側には木の実が少し落ちている。
 奥に進むと薄暗い洞窟があり、この時期にはそこに精霊が集まるという噂が……。
 崖の方は危険だから絶対行ってはいけないといわれている。
 大人なら迷うほどの広さはない森だけれど、小さな子だと皆とはぐれたら一人で戻れなくなるかも?


選択肢
子ども化して遊ぶ! いたずら!
子どもたちと遊ぶ!(子ども化しない)
子どもたちのお世話(子ども化しない)

■参加方法
公式ショップでチケット(1500円)を購入していただき、ダウンロードしたファイルに記載されたURLのフォームからアクション(600文字まで)をご投稿ください。

■スケジュール
2019年10月3日 参加案内公開
2019年10月3日 アクション受付け開始
2019年10月10日(23時59分59秒) アクション受付け締切
(フォームからの投稿は念のため翌朝9時まで行えるように設定してあります)
リアクション公開日は参加者の人数により変動。
最長、人数×2日程度。

カナロ・ペレアではダブルアクションを禁止としています。
他の方と絡む場合は、他の方と同じ場所で同じことを楽しんでください。

【ご案内】
イベントシナリオは本編の状況を気にせず、お気軽に楽しんでいただけるシナリオです。
ちょっと世界観が重要シナリオと違うような気がしますが、気にしないでください。
※この薬は本編には登場しません。

NPCとの関係については、イベントで築かれた関係を本編に持ち込むことはできませんが、PC間につきましては同じようなことが実際にあったとしていただいて構いません。
関係構築にお役立てくださいませ。

子ども化(幼児)する場合……記憶は曖昧になり、知能も子ども化します。魔法は殆ど使えなくなります。
衣装……お化け関連が中心ですが、天使や動物の着ぐるみなどの衣装もあります。

【NPCについて】
オープニングに登場しているNPCの他、自分のキャラクターと親しい間柄(友人以上)のNPCと一緒に訪れることも可能です。
NPCが子ども化するかどうかにつきましては、基本的にはお選びいただけます。
オープニングで子ども化していないNPCも、子ども化可能です。

今回はNPC分の追加料金は不要ですが、重要シナリオ以外のシナリオにつきましては、1PC辺りの描写量に制限を設けております。多くのNPCと絡みますと、アクションが採用しきれなかったり、PCの描写が減ってしまう恐れがあります。

●担当者より
【川岸満里亜】
ハロウィンですもの。子ども化してわきゃわきゃ楽しみましょう!
子ども化せずに、可愛い子ども達の姿にきゅんきゅんするアクションも大歓迎です。
皆様のご参加楽しみにお待ちしております。
今回は半分くらい担当させていただけたらいいなと思っております。

【東谷駿吾】
ぼくがこどもにもどりたい。どうも東谷です。
私の生まれた地方には「七夕の蝋燭貰い」という文化がありました。
幼稚園児が「ロウソク出せ!」と言いながら近隣の家に押しかけて、お菓子を強奪するというイベント。
あの頃そんなに好きじゃなかった引くほど甘い饅頭みたいなの食べたい……知らない近所のおばちゃんの金で食べたい……ああ、こどもにもどりたい。
私が幼児退行することのないよう頑張りますね。